最近はいたるところで、IT業界への転職について広告を目にします。
IT業界は技術職であり、転職するにも先にスキルを身に付けなくてはいけないという考えをお持ちでないでしょうか。
実はそんなことはありません。
実務未経験&IT業界の資格なしで、IT業界に転職した私の体験談を元に
・IT業界ではどのような人材が求められているのか?
・営業職経験者はどういったアピールポイントがあるのか?(私が営業職経験だったため)
の2点を解説いたします。
未経験からIT業界への転職はなかなかチャレンジングな決断かもしれませんが、
この記事が少しでも背中を押す手助けとなれば幸いです。
IT業界で求められている人材とは
先に結論からお伝えすると
“任された仕事をやりきる人材”です。
この章では、IT業界でなぜ”やりきる人材”が求められているのかを解説していきます。
ちょっと待ってください…。それってどこの業界でも同じじゃないですか?
たしかに、社会人として当たり前の姿勢のように感じますが、
IT業界でのエンジニアの雇用の側面から、
なぜ”やりきる人材”が求められているのかを説明していきますね。
ITエンジニアは「時間主義」の傾向が強い
「時間主義」とはなんですか?
これは私の造語で、成果よりも時間を重視する考え方と捉えていただきたいです。
ITエンジニアには様々な雇用形態がありますが、
その中でも多い雇用形態は月単価と稼働時間が決まっている契約です。
具体的には
「1カ月140時間~180時間の稼働時間で、月単価65万」
という様に、時間に対して報酬を払う契約です。
気づかれた方もいらっしゃると思いますが、
上記のような契約だと、
エンジニアはどれだけ成果を上げてもお給料は変わりません。
結果、どうなるかというと
「できるだけ稼働時間は減らした方が効率が良い」
というメンタリティになります。
言い換えれば、
「何をどれだけやったか」というより、「契約上の最少稼働時間で働けばいいや」というマインドになります。
極端な例でしたが、
雇用契約の形から、「時間主義」のエンジニアが多いことはご理解いただけたかと思います。
では「時間主義」の働き方に問題があるのかという点を次節で解説いたします。
「時間主義」は悪なのか
エンジニアが「時間主義」を声高に主張し始めると…
必ずマネジメント層と揉めます。
プロジェクト進めていく上で、節目節目で”納期”というものがあります。
納期が近づくとどうしても
「納期のために、このタスクはちょっと無理してでも、今日までに終わらせおきたい…」
という状況がマネジメント層側にはでてきてしまいます。
「ちょっと残業をお願いして作業を進めてほしいというマネジメント層」と
「契約上の最少稼働時間で働きたいエンジニア」は、
ここで揉めます。
マネジメント層とエンジニアの間では、納品に対する意識の差が原因ですね。
マネジメント層とエンジニアの意識のすり合わせは
プロジェクトを運営する上で非常に重要な要素です。
「時間主義」という考え方が完全な悪者というわけではありませんが、
プロジェクトはチームで進める以上、マネジメント層に寄り添う姿勢や意識は持つべきものです。
なぜ「時間主義」のエンジニアと契約するのをやめられないのか
「月の稼働時間が〇〇時間で月単価××万円」というように、
稼働時間に対する報酬を払うという契約がある一方で、
「〇〇日までにシステムを納品すれば、××万円」という
納品物に対して報酬を払う契約も、もちろん存在します。
納品物に対して報酬を払う契約であれば、
マネジメント層はもちろん、エンジニアも納期に対して責任感をもって仕事をするに違いないので
揉めることもなくなるはずなので、問題解決です。
…というわけにはいきません。
実は現場に居るマネジメント層よりも、さらに上の会社経営者や会社経営に近しい立場の方たちは
「稼働時間に対する報酬を払うという契約」の方を好みます。
システムを作る会社としては、
納品しないとお金が入ってこない契約よりも
決められた稼働時間分のお金を受け取る契約の方が
会社が抱えるリスクが少ないからです。
またしても極端な例ですが、
5年後にシステムを納品すれば10億円を受け取れる契約の場合、
納品までの5年間はシステム発注者からの入金がないため、
エンジニアへのお給料や会社の維持費はキャッシュ(会社の持つ現金)を
切り崩していくことになります。
そんな状況で、システム発注者が倒産してしまうと
途端に自社も倒産してしまう危険性が高くなります。
こういったリスクを抱えてしまうことから、
会社経営者は月次の精算でお金を受け取れる契約を選択しています。
現場にいるマネジメント層よりも、より決裁権のある会社経営者の意向が
契約に反映されますので、今後も「時間主義」の雇用形態は続く可能性が高いです。
営業職経験の強みは大いにアピールできる
前章でIT業界には「時間主義」の考えをもったエンジニアが多いということを説明しました。
そういう業界であるからこそ冒頭でお伝えした
“任された仕事をやりきる人材”が求められています。
具体的には
「成果主義」をもつ人材だということを強みとすれば良いと私は考えています。
「成果主義」とは
「成果主義」という言葉も、「時間主義」と同じく私の造語で、
「時間主義」の対義語と考えていただけると良いです。
つまり、「何をどれだけやったのか」という考え方になります。
営業経験者であれば既に身についている思想です。
営業成績に応じて、ベースとなる基本給にプラスしてインセンティブを渡す給与体系の会社は
「成果主義」の最たる例として挙げられます。
営業経験者は目標達成に向けての計画を立てられる人材
「時間主義」の考えが多い中で、
自分はそうではないということをアピールすることができれば、
転職市場において大きなアドバンテージになります。
面接官としても
「タスクは完了していませんが、時間なので退勤します」という人材よりも
「任されたタスクは必ず完了させます」と言ってくれる人材が欲しいわけです。
“自分はまさにそういう人材であり、営業で培った仕事への考え方をIT業界でも活かせる”
ということを自身の経験を交えてアピールしましょう。
営業職は、
ある期日までに、達成しないといけない目標が会社から与えられているはずです。
そういう状況だと自然と、
「目標を逆算し、いついつまで何%の目標を達成していないといけない」
という計画を立てるようになります。
この考え方をIT業界でも活用できますということを伝えましょう。
また、「今のままでは目標が達成できなさそうな時に、どのようにリプラン(再計画)をしたか」
というエピソードも盛り込んで話すようにしましょう。
上記のことを話すことが出来れば、
以下2点のビジネスパーソンとしての重要なポイントをアピールできることとなります。
・任された仕事を責任感を持って取り組むことができる人材であること
・目標達成のために様々な可能性を模索することができる人材であること
営業経験者が身に付けた「成果主義」の考えはエンジニア業界でも求められる
IT業界に限った話ではありませんが、
営業経験者が会得した仕事の進め方、仕事に対しての責任感の感じ方を
上手にアピールことが出来れば、転職市場では大いに輝くことができます。
「自分は営業をしたことがあるのみで転職なんて…」
と転職に足踏みをしている営業経験者の皆様、
むしろ、営業をしたことがあるということは、
どんな業界でも通用する考え方を身に付けることができたと捉え、
自信をもって転職に挑戦してみてください。
皆さんの背中を少しでも後押し出来れば幸いです。
それでは。
当記事では営業経験者がIT業界へ転職をする際の、アピールポイントを解説させていただきましたが、
他の側面からもITエンジニア転職に向いていることを解説している記事も書いておりますので、
ぜひそちらの記事も読んでいただければと思います。
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